20代でリウマチを発症してしまう女性が主人公です。
始めは指の腱鞘炎かと思っていた傷みが全身の関節に広がっていき、思ったように動くことが出来なくなってしまうのですが、この女性は「この病は家宝だ」とポジティブに思うのです。
タイトル:飢餓の家① (ストーリーな女たち)
作者:なかのゆみ
1.ガラスの心
2.不快な日常
3.死にゆく体
4.痛い毎日
5.私を殺さないで
恐怖度 ★★★★★
おススメ度 ★★★★★
あらすじとネタバレ
主人公の向井 涼子は、この頃指を動かすとズキンと傷みを感じます。
腱鞘炎かなと思っていたのですがドンドン悪化していき、次第に思うように指が使えなくなってしまいます。
ある日のこと、朝起きると手足がしびれて間接に痛みを感じるため、会社を休み母といっしょに病院に行きます。
そこで血液検査を受けると、医師からリウマチという診断を受けるのです。
医師の話では、リュウマチは80%が女性で多発性の関節炎といわれ、数個以上の関節が腫れて痛くなります。
正しい食事を知らないために発生の主因である栄養不足から、最近では20代の若い人にも急増している病気なのだそうです。
実際涼子はダイエットと言って食事を満足に取ることをしなかったのです。
それから涼子は夜寝るときにも、
「痛い、痛い」
「ネズミに方の関節をかじられてるみたい」
と痛さでろくに寝ることもできませんでした。
涼子が病院で診察を受けていると、医師から
「向井さんおめでたです、妊娠してますよ」
「このあと産婦人科へいってください」
と言われます。
心配する涼子に医師は、
「大丈夫ですよ、出産も結婚生活もできます」
と言ってくれます。
その夜、涼子の自宅に恋人の道則がやって来ます。
そして涼子のリウマチを知ったうえで、涼子と結婚させてくださいと言いに来たのです。
その言葉に涼子の父親も、
「涼子をよろしく頼みます」
と言い、二人は結婚式をあげるのでした。
こうして涼子は生まれてきた子を隆之(たかゆき)と名付けて育てます。
リウマチで体が思うように動かない涼子を気遣って、涼子の母親が手伝いに来てくれます。
夫の道則も仕事から帰ると夕食を作って、涼子をお風呂に入れてあげてストレッチさせてあげます。
道則はとても良い旦那さんでした。
そんな道則の目標は涼子を治してやるコト。
「家族がいるっていいことだね」
「やる気が湧いてくるもの」
ということをサラッと言うナイスガイだったのです。
それから5年後ー。
医師は涼子に、
「悪性関節リウマチではないですね」
「多少の傷みや運動障害はあるかもしれませんが自用はできると思います」
「頑張ってください」
と言われます。
そして隆之の小学校の入学式には親子3人で出席することが出来たのでした。
涼子はリウマチは私には家宝だ!と思っています。
主人は早く帰宅してくれるし、息子も主人もとてもやさしい!
そう今は思えるのです。
感想とまとめ
最後の涼子の言葉が素晴らしいですね。
病気であっても良い部分を見つけて、なんと家宝だとまで言っています。
確かに夫の道則はとってもやさしいですよねぇ。料理を作ってお風呂にまで入れてあげるんですから。
そうなるときっと掃除洗濯もしているんだと思います。
そんなお父さんを見ていたら、息子だってお母さんを大切にしてくれるはずです。
なポジティブ考え方ひとつで、とっても素敵な家庭になることが出来るんだなぁと感心しながら読んでいました。
あまりリウマチの知識がなかったもので、このお話はとても勉強になりました。
リウマチって、傷みや運動機能障害など怖い病気だったんですね。
ダイエットや栄養不足から発症してしまう可能性があると知り、無理なダイエットって命を縮めることなんだなぁと理解することが出来ました。
「痛い毎日」は20代でリウマチを発症してしまった女性が描かれたストーリーで、リウマチという病に対する知識を知るコトができますので、知らない方はぜひ読んでみて欲しいと思います。
他に収録されている作品はこちら
「痛い毎日」は、ストーリーな女たちの「飢餓の家」の4話目に収録されています。他の4作品も面白いですので、こちらも読んでみて下さいね。